2004年参議院選挙について、ちょっと考えてみたりする
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23 ) ZAKUI
[2004/06/26(土) 10:18]
民主党の「手続きに問題がある」という話を突っ込んでいくと、「手続きが踏まれていれば、派遣という方向そのものは支持する」ということになるわけで、民主党の主張はけっこうお役所的な感覚によりますね。(現党首 岡 田代 表は、元通産キャリア官僚)
社民・共産はそれぞれ微妙にスタンスは違いますが、いずれも「法の遵守最優先」になり、「派遣が必要・適正かどうか」の判断はしていません。

派遣が「人道支援に限られる」「イラクの安定化に寄与する」「国際協力である」という点を考えると、派遣に反対する道義的な理由は「国内の不都合」以外には用意できないことになります。
しかし、「国内の不都合を改善すれば派遣してよし」ということにまで話が進むと、「憲法改正」に踏み込まなければならなくなります。
社民・共産両党は「憲法改悪反対」の護憲派ですので、憲法は変えたくない、今の憲法からはみ出すことはしたくない、とそうなると、「派遣理由の正義や必要」よりも「現行法に照らし合わせて法を優先」という硬質な正論に向かわざるを得ないわけです。

民主党は改憲にも踏み込んでいますが、「手続きが終わっていないことはすべきではない」という、これも正論のひとつに乗っ取っています。
ただ、戦国時代のような「冬になったら戦は終わり。次の政争/戦争はまた春になったら」というような時代とは異なり、状況の変化が激しく伝えられる今日では、「政策判断のタイミング」が重要な意味を持つことがしばしばあります。

近い例では、昨年冬の小泉総理による(与党による、ではない)自衛隊派遣の決定。
これも、「国会議論、党内意見の集約によって判断する」という手続きを取っていたら、2003年内の派遣は確定せず、先にフセインが逮捕されていた可能性があります。
「日本は自衛隊を派遣する」と宣言したタイミングがフセイン逮捕の後だったら、「趨勢を見極めてから態度表明した(=日本はズルイ)」となり、国際的評価(=日本への信頼)は得にくかったでしょう。
日本史で言うと、関ヶ原の合戦が始まって西軍の不利を見極めてから東軍についた武将は外様大名、開戦前から家康方だった武将は譜代大名、みたいなもの。和平後の待遇がまったく違ってきます。

このように、「下から手続きを積み上げて、総論を発表する」というボトムアップ式の方法は議院内閣制民主主義の基本的スタイルではありますが、「変動・激動が起きにくく、急に方向が変わることがない」ので議論に時間がたくさん取れる平和な時代には向いていますが、現代のような即断即決が求められる激動の時代には、大統領や都道府県知事のような「一人で議会と対等の権利資格を持ち、方針の決定に基づいて方法論を考えるトップダウン式」のほうが適していると言われています。
日本は内閣制ですので本来は大統領制のようなスタイルは適さないのですが、小泉総理はこれに近いスタイルで政権運営をしています。
このため、小泉政権は「判断が(歴代内閣や野党に比べて)比較的早い」。
旧社会党系の社民党、旧竹下派系の代表を戴くモザイク政党である民主党、代表の独断はあり得ず計画に基づいて行動する共産党では、こうした「機会の判断」は体質的にも難しそうです。

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管理者:AZUKI
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