Winnyに関する雑感
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02 ) AZUKI
[2004/05/13(木) 02:47]
注目すべき点がいくつもあるんで、どこから手を付けていいやらと思うわけですが、とりあえず自分ところのBBS、しかも放置版ですから(笑)、独り言くらいのつもりで思いの丈を述べてみたいと思います。

まず、この事件は著作権とネットワークを考える上でいくつかの警告を含んでいます。

・著作物が現行技術でデジタル化されるということは、特別な知識(技術)を持っていなくても著作権侵害を(半ば無意識のうちに、または罪の意識を感じることなく)誰でも行えてしまう
・プログラムの開発者が(日本の国内法の拡大解釈で)逮捕されるということは、開発者の頭脳流出(海外企業への)を促進する

たくさんありますが、まずはこのへんに的を絞ってみます。
先に「頭脳流出」のほう。
今回の「開発者逮捕」というのは、すでに類似の意見が出ているかと思いますが、「交通事故を起こす人間がいるので、自動車メーカーを摘発しました」みたいなもの。
または「鉛筆はラブレターを書くことができるが、同時に脅迫状を書くこともできる」みたいなものというか。
道具は使い方によって犯罪にもなるが、その道具を作った人間を摘発してしまうことは、「同様の道具を作ろう」という後継者を萎縮させてしまいます。
現在、Winnyの紹介サイトの作者が家宅捜索を受けたこともあって、Winny関連コミュニティは猛烈に萎縮を始めています。
こうなると、「Winnyの次を作ろう」と思い立つ人間は出てこなくなります。
または、そうしたソフトを日本国内で作れる能力を持った人間は、日本国外の企業にヘッドハンティングされていくでしょう。
IT(もう死語か)というか、デジタル産業が今後の産業の柱になっていくことが明白である以上、そうした技術者/能力者が海外に散逸してしまうような流れを作ってしまったことは、非常に大きな問題だと思います。

誰もがそうだとは言いませんし、異論があることも承知で言いますと、「コードをひねった基礎的なプログラム」というのはある程度の講習を受ければできるようになります。
ただ、それは「指導に従って作ったもの」いわば、「設計図通りに作ったプラモデルか、その亜流」に過ぎません。
設計図なしでいきなりものすごい彫像を作ってしまう人を、芸術の世界では「天才」とか「異能者」と見ると思うんですけど、プログラムの世界にもそういう「異能者」はいます。
というより、異能者プログラマは希有で貴重な存在であると思います。
そういう人材の流出を促進させてしまうような拙速な逮捕劇が、デジタル産業の新たな枷にならなければいいな、と思います。

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管理者:AZUKI
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