Winnyに関する雑感
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03 ) AZUKI
[2004/05/13(木) 02:59]
Winnyがやっているファイル共有というのは、「デジタルデータを複数のパソコン/ユーザー間で複製して共有する」という概念です。

「劣化することなく、まったく同じ内容の複製を作ることができる」というのは、デジタルデータの基本特製であり最大のメリットでもあります。
「コンテンツがデジタルデータとして存在している」というのは、「紙に印刷した本」と違って複製もしやすい。(パソコンなどの機器があれば)
もともと「同じ物を複製しやすくする」ことが目的なわけですから、デジタルデータを複製しにくくするというのはむしろ発想としては退化していることになります。
デジタルデータの複製は、善悪や倫理・罪罰で図るレベルの問題ではなく、純粋に技術上の目的にかなったものでしかありません。

ファイル共有ソフトというのは、その意味で「デジタルデータは複製しやすい」「複製されるのが宿命」「複製されることでオリジナルと寸分違わないものが無限に作れる」ということを、体現したソフトです。
Winny以前のファイル共有ソフトは「複製したファイルを置いておくサーバ」が必要だったのが、Winnyあたりの世代からはサーバが不要になりました。これでますます「複製」が繰り返されていくようになるわけです。

これまでの法規制は、「複製されたファイルを利用した人間」が処罰の対象になっていました。
今回は「ファイルを複製して拡散するソフト」の開発者の意図が「(違法な)ファイルが複製されることを自覚した上のものだ」という点にあります。
では、「自覚したから作らない」で済んだ問題だったかと言えば、いずれは誰かが同じような性能の「ファイルを複製して拡散させるソフト」を作っていたのではないかとも思います。
もしWinny開発者が「開発意図の宣言」をせずに開発していた場合、立件できないことになってしまいます(ので、もしWinnyの次を作る人が現れるとしたら、今度は無宣言かもしれませんね)

が、この宣言は「ファイルを複製して拡散する」ということよりも、「複製されて拡散されるファイルがあまりにも無防備で遅れている」という部分に警告を発したものであると受け取ることができます。
むしろ僕はそのように受け止めています。

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管理者:AZUKI
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