読者参加小説複合リンク GL1
東京人工群島
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Tokyo Archipelago -

東京人工群島のある世界は、
我々の過ごす現代より常に27年の未来にあります。
そこは希望にあふれた夢の都市なのでしょうか。
それとも闇に閉ざされた絶望の時代のただ中にあるのでしょうか。
ヒーローはいるのでしょうか。
そのとき僕らは、どうすればよかったのでしょうか……。

 

 

 

CAUTION

東京人工群島#GL1は、グラムス株式会社(当時は株式会社グローバルデータ通信。Network-GLは1995年にGLG補完機構が、倒産前のグラムス株式会社より運営権を取得)の商業ネットワークゲーム企画として、1991年〜1994年にPC9801ベースのゲームホストNetwork-GL上で行われた読者参加型ネットゲームです。インターネットが広く定着する以前に、パソコン通信を利用して行われた読者参加型ネットワークゲームの例は少なく、展開ノウハウやCGI、HTMLなどの表現技術が未発達だった当時のネットワークゲームの草分け的存在のひとつでした。
◆インターネット版=rGL1は、GLG補完機構の保存している当時のログファイルを、HTML化して再度公開することを目的としたプロジェクトです。データの補完に関しては当時のNetwork-GL会員・GL1参加者・GL1スタッフ関係者の皆様にご協力いただています。約3年分の膨大なデータが存在するため、計画の完成まで長期に渡るものと思われますが、ご容赦いただけますようお願いします。
◆rGL1の小説群再掲載計画にあたって、小説家の上原尚子先生、GL1完了後、商業誌に執筆する本職の小説家としてデビューされ今も執筆活動を続けられている氷原公魚先生、坂本良太(島津和泉)先生を始めとする皆様のご理解とご協力に心から感謝いたします。
◆なお、この物語群は1991〜1994年以前に現実に起きたできごとのいくつかをモデルにしているものもありますが、基本的には1991〜1994年の時点から27年後に相当する2018〜2021年の出来事を描いたフィクションです。よって、実在する人物・施設・団体・出来事などの名称とは、一切無関係です。
◆本サイトに収録された著作品・挿画などの著作権・出版権は、それぞれの原著者・原作者・原画作成者に帰属します。原著者・原作者・原画作成者以外の方による無断転載・無断引用は著作権の侵害にあたるためご遠慮下さい。東京人工群島から派生した作品群の出版・二次制作物の作成など、リバイバルGL1〜東京人工群島〜に関する一切の問い合わせは、
GLG補完機構が承ります。メールなどでお問い合わせ下さい。

 


長編小説
at Novels

東京人工群島
総合プロローグ

The Prologue

ガラパゴスクエスト
the Tokyo Galapaghos quest

お家安泰、スパイは賃貸 
Spy as rent

ちきちき new
Cannon Ballers

恋の一粒
Lovesick

ベビー・クライシス new
Baby Crisis

町内会長選挙 new
the Election

青い陰謀
Blue plot

愛と官能の嵐
Storm of Love & sensualness

失われた航跡
Lost wake

菩薩たちの憂鬱
Melancholy

森の生まれる場所
Born from Forest

短編小説(1)
at Short Novels

with SST

36000キロの瞳
Eyes from orbit

報道特番
Special News program 

葬送
Funeral

箱船に乗ろう
Ride on the Noa's Ship

羊肉の国内流通と消費物語
Distribution & consumption

19号ドンファン
Don Juan

もしも魂に翼があるなら
Soul with wings

短編小説(2)

witn
Novel Competition

 

乾季のスコール new

St.GIGA〜 new

だからこそ鍋を

 

 

その他の、まだインターネットに移植されていない参加型長編小説一覧
other stories.

 


概要
What's about
Tokyo Archipelago !?

東京人工群島へのいざない
Welcome to the Tokyo Archipelago !

東京人工群島とはナニか?
What's about "Tokyo Archipelago" !?

群島施設案内(ポケット版)
Guide of Archipelago

東京人工群島作品史
History of Archipelago

東京人工群島用語集
GL ossary of Tokyo Archipelago


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東京人工群島〜総合プロローグ


 1970年代後半から1990年代にかけて、日本最大の地方行政府・東京都の行政にその辣腕を振るった稀代の都知事には、ふたつの行政目標があった。
 ひとつは1991年に移転が実現された新宿新都庁計画。そして、いまひとつは港区江東区に見られる東京湾臨海部の開発及び、臨海副都心化計画をうたった東京テレポートシティ計画である。

 1993年頃、来る1996年の東京フロンティア博準備のための開発に追われる東京。ある晩、何の前触れもなく、唐突に東京湾海底が隆起した。
 数メートルの厚さに積もった東京湾のヘドロが海上に姿を現し、当時、再開発地区として注目を集めていた佃島周辺のベイサイド地区と、フロンティア博を3年後に控えた有明副都心整備区は、そのヘドロの悪臭に見舞われた。
 新しさと清潔さをもって開発のイメージを推し進めていた東京都は、これを問題視、付近住民からの訴えがあがる前に、ヘドロとともに隆起したかつての海底を、埋め立て対象地区にあてて以前にも増した急ピッチの埋め立て計画を推し進めた。
 この模様は東京湾開発の実際を展示するフロンティア博の露払い的アトラクションの一環として、都市開発の現場を生々しく、そして未来的に演出した。
 

 すべては順風満帆に見えた。
 しかし、辣腕都知事も天命には逆らえなかった。ここまでの布石を打ち終わった直後、当事者である都知事は80余歳という老齢のため、その政治生命と天寿を全うしてしまったのである。
 一時は引き継ぐもののないまま頓挫するかに見えたこの計画は、故人の手を離れた後、近代地方行政史上稀に見る巨大事業として次代の都知事によって継承され、進められて行くこととなった。

 結果として、東京は予定をはるかに下回る期間と費用によって、使いみちに困る程の広大な人工島を得るに至った。若洲から木更津に手が届きそうなくらい広大な、人工の大地。
 それは、いくつかの中小群島に分割されてはいるものの、東京人工島の事実上の実現……江戸時代以前からの永きに渡る関東人の夢である東京湾干拓は、突然の海底隆起からわずか5年も立たぬ間に現実のものとなった。
 その後、広すぎるほどの土地に新たなコンセプトの未来都市を作るための計画が推し進められた。数年前まで海の底にあった人工の大地の上に新しい東京が生まれるのに、そう長い時間はかからなかった。

 東京湾の3分の1が地図からなくなった日から数えて、はや15年。
 西暦2018年。日本人にとって東京湾人工群島と呼ばれる人工の大地は、もはや改めて取り沙汰されるほどに特別な場所ではなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 そして西暦2026年。

 

 

 


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